一家惨殺事件の生き残りとして、心に傷を負った12歳の少女・森沢藤子。
トラウマを抱えながらも、彼女は新たな人生を歩み始める。「大丈夫、私はうまくやっていく――」。
その誓いも虚しく、次々と藤子に襲いかかるDV、いじめ、暴力。様々な不幸によって、彼女の人生は少しずつ、確実に、屈折していく。
やがて殺人の衝動が芽生えた時、トリガーは引かれてしまう。
人生は、バラ色のお菓子のよう……。
また一人、また一人、彼女は自らの欲望のために、邪魔な人間を次々と殺していく。
血塗られた偽りの幸福。仮面をかぶり、ドレスを纏い、空っぽの人生は踊り続ける。
受け継がれる業とは。
女の欲望の最果てとは。
渦巻く黒い影の正体とは。
何が少女を、伝説の「殺人鬼フジコ」にしてしまったのか。
舞台は激動の昭和後期。
『夢見るシャンソン人形』のメロディにのせて、凄絶な女の一代記を描く。
原作は55万部突破のベストセラー、ダーク・ノワール小説。
舞台ならではのドライブ感とリアリティで悪意が疾走する、アンリミテッド愛憎劇。