こんにちは。「美しいこと」の原作者、木原音瀬です。 このたびは想像もしなかった、舞台化というお話をいただいて、大変感激しています。 想像の中の登場人物たちが、目に見える形になって動き出すのを想像すると、今からワクワクします。 熱心な脚本家さんをはじめ、スタッフの方々、役者の方々のお力で、見に来てくださった方にも 、何かしら感じていただけるような作品にしてもらえるのではないかと思っています。 小説とはまた違った、リアルで血の通った人物、雰囲気が見られるのを期待し、 私も一観客として、この素晴らしい機会を存分に楽しませてもらおうと思っています。
木原音瀬
松岡洋介は、週に一度、美しく女装して街に出かけ、男たちの視線を集めて楽しんでいた。
女装は松岡にとってひとつのストレス解消法だった。
ある日松岡は、女の姿でナンパされ散々な目に遭ってしまう。
雨の中、所持金もなく途方に暮れていた松岡に優しく声をかけてくれた男がいた。
同じ会社で働く、不器用、トロいと評判のさえない男、寛末だった。
女と勘違いされたまま寛末と会ううちに、松岡は「好きだ」と告白される。
困った松岡は「もう会わない」と寛末に伝えるのだが…。
ひょんな誤解から恋に落ちてしまった二人の切ないラブストーリー。